それでもあなたと結婚したいです。
「………金子秘書…?」
驚きと恐怖で固まっている時だった。
背後で声が響いた。
「………何………してるんですか?」
振り向くと、さっき噂話をしていた三人組の一人、佐藤みくるだった。
押し倒されてるような状況に、明らかに誤解している。
「ちょっと、待って!!」
制止を聞かず彼女は走っていった。
「すいません!私のせいで、こんな事になってしまって……。」
「ちょっと待って?………一体どうゆう事?何で君が俺に………?」
私から離れると、少し気だるい様に壁に寄りかかって話している。
未だに酔いが回っている様だ。
「ごめんなさい!!私、本当は………ずっと…」
駆け寄って、腕に触れようとすると、即座に払われた。
「これ以上俺に触れないでください………頼みます………。」
泉CEOを見ると恐ろしいほど顔色が悪い。
「でも、顔色が凄く悪いですよ?大丈夫ですか?」
そっと顔に触れる。
「俺に触れるなっ!!!」
「すっすいません!!」
私は初めてきく泉CEOの怒鳴り声に、怖くなって走って逃げだした。
(どうして………私じゃダメなの?それに…………怖かった。あんな顔………私、知らない!)
振り払われた手は今頃になってジンジンと痛みだした。