それでもあなたと結婚したいです。

次の日、目覚めて見てもやっぱり千春さんは帰って来ていなかった。

電話も繋がらないし、私は佐伯秘書にかけてみることにした。


「………もしもし?佐伯さん?」


「奥様おはようございます。」


「昨日、千春さんが戻らなかったんだけど、分かりますか?」


「………実は、昨日、飲み会の席で、帰り際に問題が起きまして、………泉CEOは今、病院に。」


「えっ!病院?!どうゆう事ですか?何で連絡もくれないんですか?まず始めに私に連絡するべきでしょ?」


大人気ないと分かっていながら、私は捲し立てた。


「迷ったのですが、どうやらある女性が関係してまして、泉CEOに聞こうと思ったのですが、未だに目を覚まされません。」


(………女性?………一体なんの事を言ってるの?)


私はドクドクと身体中、不安に響いている音を感じていた。

気づけば手のひらはびっしょりと濡れている。


「分かりました。………とにかく病院教えてください。」


「はい。」


私は何も考えなかった。

考えたら何も出来なくなってしまうのが分かっていたから、病院に行くことだけを自分に言い聞かせた。


「千春さん………今、行くからね。」


(どうか、直ぐに目を覚まします様に………。)


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