それでもあなたと結婚したいです。

病院に着くまでの間も私の頭は色々な妄想に悩まされた。

女性問題なんて今まで心配したことも無かったから、実際、その現実を突き付けられて私は酷く動揺していた。

前に付き合った人も浮気なんてしなかったし、悩んだ事もない。

考えてみたら、白川部長も既婚者にも関わらずいまだに関係を持とうとする若い女性社員が後を絶たない。

千春さんも病気の事は、会社の人には秘密にしている。

結婚していても、きっと狙ってる人は大勢いるんだ。


「私、バカだった。彼には私しかいないなんて………とんだ自惚れだわ。」


病室を見つけ、ドアのポールに手を掛けた時だった。


「もう、帰ってくれ。」


「いいえ!私は帰れません!私の所為で倒れられたんです!私が看病します!」


「金子秘書。君は会社に戻りなさい。もうすぐ奥様がいらっしゃる………君が居たら気分を悪くされる。」


「嫌です!!私が泉CEOに押し倒された事はもうきっと、会社で噂になってます。今行ったら………」


「今の話、どうゆう事ですか?」


気づいたら私はドアを開け叫んでいた。

病室のドアに向かって三人が振り向く。


「花枝さん………。」


「千春さん、気がついたんですか?さっきの話、嘘ですよね?そんな事、………してないですよ………ね?」


「花枝さん…ごめん。でもー」


「千春さん見損ないました。私じゃ無くても…………誰でもいいんですか?」


「バカ!!!」


私は有りったけの捨て台詞を吐いて、病室から走り出した。

言い訳なんて聞きたくなかった。

今まで、頑張って、我慢して来たのは何だったのか?

全て否定された様な気分になった。






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