それでもあなたと結婚したいです。
プライベートも仕事もモテる男に翻弄され、周りは羨むだろうが、かなり精神的にハードだ。
せめて仕事だけは自分の思い通りに進めたい。
(取り合えず、白川部長は無視して、レストランに電話しなきゃ………多分、うちとは付き合いも長いし、シェフは融通してくれるはず。)
テキパキと変更による修正をしていく。
(それにしても、M&Jってアイツの会社なんだよね。)
先日のパーティーでの出会いを思い出す。
(あの失礼なやつ………でも、さすがに社長が直々に関わることは無いだろうから会う心配なさそうだけど………。)
「花枝せんぱ~い!!佐藤さんが会議室予約取るの忘れてたみたいで大変な事になってますぅ!」
「えっ?なんで?………取り合えず、分かった。総務には私から話つけとくから、なんとかなだめてて!」
(なんなの今日は!厄日だな………。)
私は次から次へと舞い込んでくるトラブルに忙殺されていた。
ようやく定時になる頃には疲れ果てて、後回しにしてた休憩を取っていた。
「よう!お疲れ………。」
「あれ?お疲れ…って、帰って来たの?」
久し振りに声を掛けてきたのは藤森だった。
あの事件以来、藤森は長期の出張に出ていた。
「帰って来て、わりーのかよ。」
「左遷されたのかと思ってたから。」
「お前なー!!」