それでもあなたと結婚したいです。
(千春さんの治療の為なんだから、ちゃんと事細かにノートに記録しておくんだった。………でも、千春さんに迫られると頭がボーッとなって、何も考えられなくなってしまって………。)
にやけそうになる口許を慌てて手で隠す。
「私も怒ったりしてて、興奮してたからよく覚えてなくて………それに初めてキスした日は、それに加えて大泣きしてたし………。」
「大泣き?泣いたんですか?花枝さんが?」
「私だって泣く時はありますよ!ただ、滅多に泣いたりしないだけで…………泣くのは嫌いなんで、昔から人に涙は見せないんです。それがモットーとゆうか、誓いとゆうか………自分の中でだけなんですけど。」
黒木先生は何やら考え込んだ様に暫く真剣な顔をしてブツブツ呟き始めた。
「そうか………涙か。」
「えっ?」
「花枝さん。あなたの涙が切っ掛けかもしれません!」
「涙が?」
「ある種のショック療法です。普段泣きそうもない強い男が涙もろいとか、ギャップですよ!そうか、そうゆう方法もあったのか。」
「黒木先生………強い男で私を例えないでください!」
「ふふっ!すいません、すいません!!でも、いい傾向ですよ。」
「良いことは分かってますから、これからどうしたらいいか教えてください!」