それでもあなたと結婚したいです。
「あれ?でも、彼女とは身体の関係も深かったって言ってませんでしたか?」
「それは私の留守中にアポなして来た時、白金くんが彼女から直接聞いた話なんです。」
「そうだったんですか………どうして彼女は急に姿を消したんでしょうか。」
「彼女が居なくなってから、暫く泉さんは言葉にはあまりしませんでしたが、かなり落ち込んでいました。全て彼女を頼っていたみたいなので。仕事とプライベートの両方のパートナーを一気に無くしたのですから当然ですが………。」
「………………………………………。」
改めて実感した。
今、深く嫉妬している自分の心。
私の知らない過去の話なのは分かってる。
今更どうにもならない事も。
それでも、嫉妬してしまうのはいつの間にか彼を独占したい欲が強くなっているからだろう。
こんな心を抱えながらも私は自分らしさを貫く。
「花枝さん?どうしました?」
「何でもありません!残念ですね。その人が居れば何か分かるかも知れなかったのに。」
「………えぇ。」
嘘臭い上辺だけの言葉に黒木先生が気づいてるのが分かったけど、何も聞いてはこなかった。
聞かれても困る。
きっと本音を暴かれたら嫌な女になりそうだから。