それでもあなたと結婚したいです。
27 休日のレシピ
朝の光がカーテンの隙間からこぼれて私の目蓋を照らすと、気持ちよく意識が浮上してきて、背中が温かい事に気づく。
いつも朝になると後から抱きつく様な形で千春さんは寝ている。
私が目を覚ますと腕枕をしている千春さんの手がいつも最初に目に入って、ほっこり暖かいとても幸せな気持ちになる。
一緒に寝るようになって、暫くはドキドキしっぱなしで悶々と眠れない日々を過ごしていたけど、慣れは恐ろしいものでこんな格好いい人が隣でこんな無防備にスヤスヤ寝ていても、もうどうにかしてやろうとゆう気が抑えられるようになってきた。
今日は日曜日、千春さんも久し振りに何もなくフリーみたいだから二人で映画を観る約束をしていた。
肌寒い季節になってくると、起きるのは辛くなってしまう。
軽くカーディガンをはおり、モコモコスリッパを履いて洗濯機のスイッチを早めに入れに行く。
ベットに戻り、もう一眠りしようかどうしようか迷ってベットに腰掛けていると千春さんが目を覚ました。
「………花枝?もう、起きるの?」
「まだ、ちょっと早いんだけど、どうしようかなって………。やっぱり早く家事終わらせちゃおうかな?」
私が立ち上がろうとすると腕を引かれた。
「まだ、いいよ………寒いからこっち来て。」
「………しょうがないなぁ。」
もそもそ布団に入ろうとするとぐぃっと抱き締められた。
(こんなのは平気、いつもの事だから………、真弓のとこのちびっこ達と同じ。)
こっちからもぎゅっと抱き締め返す。