それでもあなたと結婚したいです。
彼の胸にそっと寄り添いながら私はいつもの様に大袈裟に慰める。
「千春さん、大丈夫だよ。こんなに変わって来てるんだから、後もう少し頑張ればもっとよくなると思います!黒木先生もそう言ってたし、ねっ?」
にっこり笑って見上げると、いつもなら笑ってくれる千春さんが今日は浮かない顔をしている。
(いまいち、押しが弱かったかな?それじゃあ………)
千春さんの手を掴むと私は次々と自分の身体を触らせた。
「まずは手でしょ、それから肩、背中に顔、頬、そして………………唇、それにここもほら、見てください。」
胸の少し上に彼の手を置いた。
「全部千春さんが触れるようになった場所です。………凄いでしょ?手も震えなくなった………ね?」
少し驚いたように私を見つめる彼に手応えを感じ取って、もう一押ししてみる。
「それじゃあ、おまけに今日はもう一つ!!」
止めに自分のお腹を直に触らせた。
「千春さんみたいに腹筋は無いけど…ね?へへっ!」
目をまん丸にして驚いていた彼は急に下を向いた。
(あれ?お腹に当ててる手………震えてる?まさかー)
「千春さんっ!?だっ大丈夫?具合悪いの?………どうしよう!!先生に電話ー」