それでもあなたと結婚したいです。

「俺が手を繋ぐ口実を取り上げるつもり?」


「ふふっ…そんな事、口実にしなくたって握っていいですから。遠慮なく、いつ何時でも…………喜んで!」


「ははっ!花枝には敵わないな。………じゃあ、約束しよう…指切り。」


小指と小指が絡む指切りで、朝の約束が急に鮮明になった。

「約束は絶対だよ。」


「えっ?」


千春さんは何かを含む様な笑顔で私を見つめる。


「………今度、花枝の会社に迎えに行くから、その時にでもこの約束発動させて貰おうかなぁ~?」


「えっ?会社で?ちょっとそれは………」


「あ~!!約束破る気?約束破ったら………どうしよっかなぁ?」


「普通は針千本なんじゃ………………。」


「それは実際問題出来ないでしょ?だから、オリジナルで考えなきゃ。」


「えー!!それ狡くないですか?」


片方の口角をクイッと上げて笑うと千春さんは私の手を引いて走り出した。


「いっぱい食べたから、家までランニング!!」


「えー!無理!!既に横っ腹痛い!」


走ったり、笑ったり、歩いたり、笑ったり。


私達は他愛の無いことを話ながら家路についた。


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