それでもあなたと結婚したいです。
コグレ ミオと名乗った人物は、既にコンビニの扉から出て行くところだ。
「ちょっと待っー」
「お待たせいたしました!合計で1280円です!」
「あっはい!」
慌ててお金を払ってコンビニを出る頃には、姿が見えなくなっていた。
「コグレ…ミオ。」
帰りの道中、私の頭の中は彼女で満たされていた。
「花枝どうしたの?さっきからずっと黙ってる。」
「えっ?」
「コンビニで何かあった?」
「何って?なんもないよ!!」
「ぷっ!………何もないならそれでいいけど?」
「あははは…………。」
(同姓同名かも知れないし…………私が考えても仕方がない事だよね。確証も無いのに千春さんに話しても悩ませるだけだし。………わざと知らせないわけじゃないし、いいよね?)
横で運転する彼を見ながら、私はそんな考えを堂々巡りしていた。
家に着いてもモヤモヤは消えなかった。
(やっぱり、黒木先生に相談してみようかな?でもなぁ…全くの他人だったら取り越し苦労だし。千春さんに彼女の事を直接聞いていいものか………聞きたいようで聞きたくないような………うう~…。)
「花枝?お風呂沸いたよ!」