それでもあなたと結婚したいです。

「フフッ…別に見てもいいのに。」


私とは違うシャンプーの香りが充満する。


(あっ、千春さんの匂いがする。)


全ての音に神経が集中する。こんなリラックス出来ないバスタイムがあるだろうか?


チャプンッ


一人分のお湯が増えてふわんと体が揺れた。

千春さんが入ってきたのだ。


「花枝………もう目を開けても大丈夫だよ?」


両手で固く閉じていた瞳を恐る恐る開くと、浴室は真っ暗だった。


「あれ?どうして暗くー」


天井を、見ていた目を下に向けると水面には色とりどりのバスライトが浮かんでいた。


「わぁ~~!!綺麗~~!!何これ凄い!凄い!!」


「フフッ…バスライトだよ。これはクラゲ型で、こっちはおっきなジュエル。キャンドル型もあるしー」


「千春さん!こっちにはお花もあるよ!それにアヒル隊長も!!凄い!こんなの初めて!」


興奮して気づくと、横に座っている千春さんの腕に抱きついていた。


「きゃっ!!ごめん!!」


(ヤバイ!!素肌で直接抱きつくなんて最悪!!)


直ぐ様離れようとすると千春さんの手が腰に伸びてきてグッと抱き寄せられた。


(なっ何?)


ほの暗い明かりの中で千春さんの顔が浮かび上がる。





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