それでもあなたと結婚したいです。
なんだか千春さんにつられて私も笑ってしまう。
「花枝と居ると本当に飽きる事がないな。花枝と会うまでこんなに笑った事無かった。花枝は不思議だ。」
(本当にそうなのかな?木暮美緒さんとこんな風に笑いあってたんじゃないの?)
不意にこんなネガティブな嫌な女の面が顔を出した。
付き合ってたんだから当たり前の事。
きっと彼女とも楽しい思い出がいっぱいあるのだろう。
私より親密で深い思い出が………。
「全然ウケ狙ってないんですけど………。まぁ、面白いならいいです。」
「あ、また、膨れてる。花枝は怒ると直ぐほっぺ膨らますよね?最近分かってきた。」
「えっ?そうですか?………かなり無意識でやってた。」
(いい年してまるで小学生じゃん………。)
頬っぺを挟まれて上を向かせられる。
「でも、………………可愛い。」
お風呂上がりの気の抜けた千春さんも甘々フェロモン全開で、これが私だけに向けられてると思うと、キュン死にしそうだ。
「言っときますけどねぇ、千春さんも多々、可愛い所ありますからね!!」
「えっ?俺も?」
「はい………たまに尻尾と犬耳が見えます。」
「えっ?どうゆうこと?犬みたいだってこと?」
「フフッ…特にスイーツ食べてる時と料理の手伝いしてる時は確実に尻尾振ってます。」
「マジで?………恥ずかしい。」
片手を顔に当てて羞恥心に苛まされてる千春さんも密かに可愛い。
「てゆうか、俺達二人して可愛いところ言い合ってるなんてかなりバカップルだね?」
「ぷっ………はい!」
ハプニングもありつつも、この夜私達は遅くまでお互いの事を語り合った。
胸の中に残ったしこりは残したままで。