それでもあなたと結婚したいです。
「あの~、私は単なる一秘書なので、そうゆう勝手は出来ませんので………」
「間宮社長。彼女に私の諸々の世話を頼みたいんですが、いいでしょうか?」
「あぁ、いいとも!泉くん頼むよ!」
社長からの直々の頼みを断る事は到底出来ない。
何も知らない我社の社長は上機嫌でにこにこ笑っている。
「分かりました。私でお役に立つのならどうぞ宜しくお願いします。」
お辞儀をして顔を上げると、桐島は満足そうに笑って私を見ていた。
隣にいる美人秘書にも軽くお辞儀すると、私は控え室に促した。
「皆様のお部屋をご用意致しました。そちらへ案内します。………では、どうぞ。」
一行の少し前を歩き案内する。
(あぁ、またこの人はイレギュラーな事ばっかり言い出すんだから…全く。私、まだやることあるのに〰!それにしても膝痛すぎる………。)
「脚どうしたんだ?痛むのか?」
隠してたつもりが見破られてドキッとする。
「いえ!大丈夫です!ご心配いりませんので。」
私は痛む足を抱えて先を急いだ。
(取り合えず、この人達を控え室に案内してから、もう一回ガーゼ取り替えなきゃ。)
そうこうしているうちに、やっと目的の部屋に着いた。
「こちらが随行者様方のお部屋でこちらの個室が桐島社長のお部屋となっております。………式が始まる暫くの間ですがお寛ぎください。」