それでもあなたと結婚したいです。
「ありがとうございます。凄く嬉しいです………。」
照れながらも素直に気持ちを伝える。
「今日、帰ったらお祝いしよう。」
「あっ!そうだ、それなんですけど千春さん!お願いです!パーティーにエスコート役として同伴してくれませんか?急な話で無理なのは分かってるんですけど。ダメですか?」
「ちょっと待って、佐伯に確認する。」
しばらく間があって、再び千春さんが出てきた。
「もしもし悪いんだけど、役員との会食があるんだ。海外のチームも招くからちょっと厳しいかな。」
「そうですか………桐島社長が、しつこく迫ってくるので困ってたんですが、千春さんも大事な仕事ですもの仕方がないです!自分で何とかします。大丈夫!契約したらこっちのものなんで、いざとなったら反撃してやります!!」
「迫ってくるって、………マンションのエントランスで会った彼?」
「そうですけど………。」
暫くの沈黙が続く。
「もしもし?千春さん?」
「……………やっぱり行く。」
「でも、抜けられないんじゃ………。」
「少し遅れるかもしれないけど、絶対行くから!」
「は………い……?」
千春さんの言葉とは逆に、後ろで騒いでいる佐伯秘書の声が聞こえたけど、私もかなり切実だったので、佐伯秘書には悪いけど知らないふりをして電話を切った。
「許せ……佐伯秘書…!!」