それでもあなたと結婚したいです。
「コーヒーが来ました。」
綺麗な所作でコーヒーカップをテーブルに置く。
「んっ?あぁ。」
「そんなに彼女を気に入っているんですか?」
綺麗な黒髪ロングの美人秘書は問いかけた。
「俺の行動を見てれば分かるだろ?久し振りにワクワクしてるんだ。俺にしなだれ掛かってくる女はもう飽きたよ。」
新しい玩具でも見つけた子供の様に生き生きと桐島が答える。
「そうですか。……でも、彼女は既婚者だとか?」
「俺がそんなの気にすると思うか?欲しいものは全て手に入れる。………俺のモノになったら別れさせればいいことさ。離婚なんてこのご時世、日常茶飯事で珍しくもない。」
「怖い人ですね。」
言葉とは裏腹に微笑を浮かべながら秘書は言った。
「優しいだけの男はつまんないだろ?」
「確かに………私も昔、そうゆう男で失敗しました。とても優しい人でした。」
「へぇ?君でも失敗するのか?」
「ええまぁ。私では駄目だったんです。………恋は盲目と言いますから、駄目だと分かってもその時はやめられませんでした。私も例外じゃなかったと言うことです。勉強にはなりましたけど………。」
「ふ~ん。君のそうゆう話、初めて聞いたよ。」
「………それでは私は下がります。」
秘書はクスッと笑うと部屋を出ていった。
「フフッ………どんな男か見定めさせて貰おうじゃないか?楽しみだな。」