それでもあなたと結婚したいです。
無事、調印式も終了し社内はお祝いムード一色だった。
私も取りあえずは一息ついて、あま~いミルクティーで休憩中。
先程からじんじん痛む膝をチラリと見てみる。
うっすら血が滲んでいるが血は止まったようだ。
(この絆創膏……あいつが貼ってくれたんだっけ……。もしかして本気で私の事………………有り得ないか。)
「花枝ちゃ~ん……こんな所にいたのかい?お疲れ様。無事、契約もすんで何よりだけど、桐島社長に何かされなかった?大丈夫?」
「白川部長ー!!聞いてくださいよぉ!あの社長セクハラで訴えてもいいですか?!」
「いや~…契約決まった後で早速それは困るんだけど……。」
「白川部長の裏切りもの~!!!」
「何?何?そんなに酷いことされたの?」
「膝の怪我の絆創膏を替えられたんですよ!!」
「えっ?案外いい人ってこと?」
「あぁーもぅ、分かりません!!!でも、私にとっては危険人物です!!」
「花枝ちゃん………それにしても膝、何で怪我したの?大丈夫?」
「それは部長と別れた後、急いで走ってて絨毯の切れ目にかかとが引っ掛かってー」
ハッとして白川部長を見ると、時すでに遅し。
呆れ顔で笑われていた。
「やっぱり君は、お子様だったか…………。」
軽く頭をポンポンされながら、私は返す言葉もなく項垂れた。