それでもあなたと結婚したいです。
30 火花
パーティーも始まり今日の私は、サーモンピンクのシルク生地のベアトップに同系色のチュールを重ね、露出は少な目のドレスに着替えていた。
全身に散りばめられたスパンコールとビーズがキラキラ光ってとても気に入っている。
こんなドレスを着てパーティーに出るなんていつもなら嬉しい筈なのにさっきから私は、シャンパンを片手に時計ばかり気にしていた。
(千春さん途中から来るって言ってたけど………本当に来れるかな?はぁ~~………間に合わなくてもしょうがないか。)
おとなしく壁の花になっていると白川部長が寄ってきた。
「花枝ちゃん…綺麗。なんだかおじさん感動しちゃって…。」
「何ですかそれ?」
(さっきは男とか言ってたくせに…。)
「ははっ。綺麗って言ったのは本心だよ。いつもそう思ってるけど、ドレスアップするとまた更に綺麗だよ。女の人は本当に着るもの一つで凄く変わるもんだね。」
「それはどうもありがとうございます!!」
「また、怒ったの?…………あっ!ほら、見て見て!桐島社長大人気だね~~!!あんなに女の人に囲まれて。」
「何言ってるんですか?さっきまで自分も似たようなもんだったじゃないですか。私のところに逃げて来たのバレバレですよ!」
「あはははは…………。さすが花枝ちゃん素晴らしい観察眼をお持ちで。」
「だてに部長の秘書やってませんから。」