それでもあなたと結婚したいです。
暫く部長とじゃれあっていると、女を遠巻きにゾロゾロ引き連れて桐島が話し掛けてきた。
「よぅ。ドレス姿、結構似合ってんじゃん……。」
「………それはどうもありがとうございます。」
(さっきまで女に囲まれてたから暫くは時間が稼げると思ったのに、もう来たか…。まずい。)
「あれ~…?自慢の俺より凄いってゆう旦那様はどこかな?改めて挨拶したいんだけど?」
(こいつ〰〰!!いないの分かっててバカにしてる!)
「桐島社長。あんまり彼女を苛めないでください。私の大事な秘書なので、これで機嫌を損ねると私が大変なんです。」
困ったような笑顔を作って、わざと話を終わらせようと白川部長が割って入ってきた。
(部長~~!!)
「白川部長の頼みでも、今日はそうはいかないんですよ。彼女との勝負なんで。」
「勝負?」
「さぁ、エスコート役が居ないんじゃ仕方がない。俺と一緒にこっちでー」
桐島が私の腰に手を置こうとした瞬間、片方の手を引かれた。
「花枝………遅れてすまない。それからこれ………おめでとう!」
千春さんが体の後ろから出したのは白とピンクの沢山のバラの花束だった。
「千春さん…!!」
嬉しすぎて息が止まりそう。
「忙しいのに来てくれたんですか?」
「勿論です。貴女の方が大事ですから。」
千春さんをよく見ると、ちゃんとパーティー用の素敵なスーツに着替えて来てくれていた。