それでもあなたと結婚したいです。
「何、笑ってるの………?」
「えっ?」
目が虚ろなまま、私を見上げるとにこーっと千春さんが笑った。
(なんか、いつもと雰囲気違うような………?)
「千春さん?目が覚めましたか?気分は悪くないですか?」
「ん?………うん。気分は最高だよ。フフッ………。」
さっきより言葉はしっかりしてきたが、酔っぱらい特有のふわふわした状態で笑いながら私の首に腕を回してきた。
「もう………重いってば!」
腕を外そうと手を掛けると、千春さんの腕はそのまま滑り、ぎゅうっと私を抱き締めた。
「………誰にも渡たしたりしない………。絶対、渡さない………花枝は俺のだからな?」
(いつもの千春さんと違って、ここまで独占欲を晒け出してくれるのもなんか嬉しいかも………。全く私も大概だな。)
「ちゃんと返事して………。」
「ぷっ!千春さん…また、可愛い所、発見しちゃいましたよ。飲み過ぎると子供みたい。」
「俺のどこが子供だって?」
抱き締められたままくるりと体を反転されて、あっという間にフカフカのソファーに組み敷かれる。
「あー千春さん酷い!酔った振りしてたんですか?」
黙って熱っぽい眼差しで私を見つめると、急に自分のシャツに手を掛け始めた。
「ちっ千春さん?!」
(えっ?!………あ~ぁ………いつものパターンね?脱ぐだけ脱いで寝落ちパターンなんでしょ?)
「千春さん暑いなら着替えましょっか?ね?手伝いますから。私、着替え持ってきます。」