それでもあなたと結婚したいです。

女の身体とは何一つ違う男の身体。

触れると熱くて硬い筋肉に覆われているのが分かる。

お腹から伝い上り、左胸に到達する。

ドッドッドッ

いつもより早い心臓の動きが指に伝わった。

私の指が彼の頬に届くと、待っていたかの様に掌にキスをする。

千春さんの全ての動作が私の胸をぎゅうっと締め付けた。


(千春さん…大好き………。)


再び始まるキス………キス………キス………。


何も考えられなくなって、身を委ねていると、唇へのキスは身体へと降りていく。


「んんっ………あっ………千春さん………。」


久し振りの感覚に頭が蕩けていく中、私の身体に密着している千春さんの身体の変化に気づいた。


(えっ?………もしかしてこれって………。)


今まで何の反応を見せなかった彼の身体が私の身体に触れることで反応している。


(うそっ!!?)


驚きで蕩けていた思考が戻ってくる。


「千春さん!もしかして、治ったんですか?」


問い掛けに全く反応せず、身体への愛撫が続く。


「あっ………んんっ………千春さんっ!待って………ダメ!!」


どこを触られても気持ちよくて身体が反応してしまう。


千春さんの容赦ない責めに、意識が朦朧としていると急に動きが止まった。


「千春さん………?」


カチャカチャと聞こえていたのはベルトを外す音。




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