それでもあなたと結婚したいです。

「寒い………。」

走って汗をかいた身体は急激に身体を冷やした。

少しでも温めようと身体をさすって縮こまっていると、隣に誰かが座った。




「………あんた、こんな時間に何してんだ?」


声の主に驚いて顔を上げると桐島が座っていた。


「あ~マジ飲みすぎたし………やっと冷めてきた。………あんたの旦那、結構強いな?油断したよ………。でも、今回は引き分けだからな!次は俺がー」


本当は誰の前でも泣きたくなんか無いのに、どうしても涙が止まらない。


「どうした?!何かあったのか?」


こんなやつ大嫌いなのに心配そうな顔をして、私に優しくするから首を横に振るだけで言葉にならなかった。

何も言うことが出来ない。

悲しい。

苦しい。

辛い。

その全部が今の私。

何も考えたくない。

何も知りたくない………

何も………何も………

私の意識はここで途絶えた。




「おい!しっかりしろ!!泉 花枝!!おい!」


身体を支えると燃えるように熱かった。


「すごい熱………マジかよ。」


直ぐに懇意にしている掛かり付けの医師に電話をする。


「………………もしもし?こんな時間に悪いけど来れるか?熱が酷くてぐったりしてる………あぁ、助かる。ん?そう、俺の特別な人だ。」


意識を失っている今でさえ涙が頬をつたっている。

よく見ると首から鎖骨周辺に赤い後がいくつか残っている。


紛れもないキスマーク。


「一体何があったんだよ…お前……。」


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