それでもあなたと結婚したいです。
リビングの窓から射す光にふぅっと意識が浮上してくる。
うっすら瞼を開くと見慣れた部屋の光景が目に写った。
一つだけ違うのはリビングとうゆことだ。
ソファーにもたれ掛かるように眠っていたからか、目を覚ますと身体が痛かった。
「んん~………痛っ………。何だ………どうしてこんな所で寝て………」
周りを見回してみても、いつも通りの自分の家だ。
暫くぼーっとしてから床に転がったペットボトルを拾って飲んだ。
よく見ると、以前よく飲んでいた銘柄のものだった。
(二日酔いの時飲んでたものだ。ずっと敬遠してたのに………なんで、ここに………。)
時計を見るともう、午前10時を回っていた。
驚いて起き上がると酷い頭痛に襲われる。
「痛っ………!!」
(かなり飲み過ぎたか………。)
ふとうつ向いた自分の体に目がいった。
上半身裸の上に、ベルトが外されて前がはだけている。
「えっ?」
こんな状態、生まれて始めてで、頭が働かない。
昨日の記憶を辿る。
(昨日はパーティーに行って………花枝と…)
「………花枝?」
どこを捜しても、いつも居る筈の人が見当たらない。
俺に何も言わずに出掛ける事は今までで一度もなかった。
書き置きすら見当たらない。
携帯を探そうと自分の居た周りを探しに戻った時だった。
無造作に置かれた花枝のドレス。
近くには下着が落ちていた。
「これは………」
乱れた自分の格好と脱ぎ散らかされた花枝の下着。