それでもあなたと結婚したいです。
「大きく出たな?だけど、あんたはそのつもりかも知れないけど、当の本人はどうかな?丁度さっき出て行ったよ。あんたの所に帰るのかどうかは分からないけどね。」
「えっ?まだ熱があるって………」
「熱は微熱まで下がったから行かせた。本当は行かせるつもりは無かったんだけど、どうしてもって懇願されちゃってね。俺は好きな女の頼みは断わらない主義だ。」
「そうか………良かった。」
「別に何も良くねーよ!それより、同じマンションなら、もう着いてる筈だぞ。帰って来ないなら別の所に行ったのかもな。」
「別な所?」
「俺がそこまで知ってるわけねーだろ?心当たりを捜してみるんだな。全く付き合ってらんねーよ。………もし、また、あいつを泣かせたらその時は俺のものにするからな!油断するな!!」
捨て台詞を吐いて、ブツッと通話が切れた。
取り合えずソファーに座って帰りを待ってみる。
(………………来ない………もしかして、友達の所に行ってしまったのかな?…どうしよう………捜しに行くか………?)
時計を見ながらソワソワ落ち着かない。
「ダメだ…………………………少しも待てない!!!」
俺は財布と携帯を持って玄関を飛び出した。
普段とはまるで違い、髪は寝癖だらけで部屋着のまま。
なりふり構ってなんかいられない、どうしても離したくない女人(ひと)がいるから………。