それでもあなたと結婚したいです。
ピッピッピッピーーカチャン。
そ~っと玄関を開けて部屋に入る。
一日居なかっただけなのに、所々でする彼の匂いに安心する。
キョロキョロと辺りを見回して、千春さんの気配を辿る。
(はぁ~………。自分の家で何やってんだろ………。)
あんなことがあった手前、不安とは別に、正直恥ずかしい気持ちもある。
身体に残された彼の跡を見るたび、あの時の光景が蘇ってドキドキと私の鼓動を速める。
(あぁ~やばい………何も考えるな。)
一通り部屋を捜してみるが千春さんは居なかった。
私はまともな服と下着に取り替えた。
(この下着、初夜の時のだ………。あの時はこんな事になるなんて思いもしなかったな。)
取り合えずソファーに座って待ってみる。
高熱があった体はやっと熱さは引き、身体のダルさだけになっていた。
(千春さんどこに行ったんだろ?………仕事?……それとも、もしかして美緒さんの所に行ったんじゃ!…………どうしよう………もう、私の所に帰って来なかったら………)
「そんなの嫌!!」
私は走り出した。
あの夜と同じ様に。
ただ違うのは一つの可能性を握っている事だけ。
それは私にとっては一筋の希望の光となっていた。
(少しでも早く会いたい………。千春さんがどうゆう答えをだすのか怖いけど、会って全てを確かめたい…!!)