それでもあなたと結婚したいです。
「いいじゃないですか!めでたい事は御祝いしなくちゃ!!ここは一つ、乾杯でもしますか?」
「もぅ!先生っ!!いい加減にしてください!!」
「あはははっ!」
二人で揉めていると、大きな明るい笑い声が聞こえてきた。
「千春さん?何笑ってんですか?」
「フフフフッ………だって、二人が面白くって………あはははっ!」
ツボに入ったのか、お腹も抱えている。
「笑ってる場合じゃないでしょ!!二人の事を言われてるんだから!!」
黒木先生を睨むとさっきとは違った優しい笑顔で微笑んでいた。
「泉 千春さん………いや、千春。本当に良かったですね。」
「あはははっ………あははっ………先生、ありがとうございました。あんまり、おかしいから………何だか笑いすぎて涙が………あはは………。」
千春さんはそのまま下を向いて片手を目を覆うようにかざした。
肩が震えている。
黒木先生は千春さんの所まで行くと、小さく背中を丸めた彼を正面から抱き締めた。
「もう一度言うよ………よく頑張ったね…千春。」
千春さんは黒木先生の背中に手を回す様にして泣いていた。
まるで子供の頃の千春さんを見ているようだった。
きっとずっと、こうやって二人で頑張ってきたんだ。
そっと二人の様子を見ていると何だかジンと熱いものが込み上げてきた。
(良かったね千春さん………本当に良かったね………。)
「うぅ~………うう………。」