それでもあなたと結婚したいです。
「花枝まで何で泣いてんの?」
「だって、嬉しくて………二人に感動しちゃったの!いいでしょ泣いたって!!」
「泣くことは精神衛生上、とても良いことですよ!ストレスを溜め込まないことが一番です!!」
「花枝もおいで………。」
二人が片側を開いて手招きする。
片やイケメンCEO、もう一方はS系爽やか医師。
贅沢な二人に求められて行かないわけがない。
二人の間に飛び込むとぎゅーっと抱き締められる。
「先生?あまり、花枝にくっつかないでください。」
「今日は特別です!嬉しいんだから無礼講で!」
黒木先生が私の腕を引っ張って、自分の腕に抱き締める。
「せっ先生?!」
初めて嗅ぐ先生の香りにドキッとする。
「ちょっと!!先生!!止めてくださいってばっ!!」
必死に離そうとする千春さんを眺めながら黒木先生は笑っていた。
「花枝さんって………何だか柔らかくって、抱き心地いいですね。」
「どこ触ってんですか?!俺のだからダメだってばっ!!」
「フフフッ………………。」
(あっ………ドS発動中だ………。)
無理矢理引き離されると、今度は千春さんの胸の中に閉じ込められた。
「先生!この人は俺のものですから………ダメですからね!!」
「はい、はい!分かりました!!もうしません。」
千春さんが本気で怒っているのに、嬉しそうに笑っている。