それでもあなたと結婚したいです。

この後、詳しいことはまた後日と言うことで私達は家に帰った。


帰り道、私達は思い出のエッグタルトを買って帰った。

心境が違うだけで周りの景色が違って見えた。

ショーウィンドーのディスプレイも、

枯れ欠けた街路樹も、

行き交う人々も全てがキラキラと輝いていた。


「こんなに綺麗だったんだ………。」


千春さんが不意に呟いた。


「フフッ………。」


「俺、何か変なこと言った?」


「フフッ…いいえ!実は私も同じ事、思ってました。」


二人顔を見合わせて笑った。
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