それでもあなたと結婚したいです。
「花枝先輩、おはようございま~す!!」
元気よく挨拶をしてくれたのは浅海ちゃんだ。
12月にも入り、モコモコのファー付の白いコートを着て出社して来た。
「新しいコート買ったの?凄く可愛い!私も今年、買おっかなぁ。」
「花枝先輩は黒のウールコートでしたっけ?あれ凄く格好いいですよね!高そうだし。」
「結構、奮発して買ったんだけどもう少しフェミニン系のが欲しくて………ファーとか可愛いよね。」
「先輩~~!!もしかして………旦那さんの為ですか~~?」
図星を突かれてドキッとする。
「あー!!赤くなってる~~!!もぅ、会社でのろけるの止めてくださいよ~~!!何か先輩………いつもより綺麗だし。ずるい~~!!」
「違うって!ただイメチェンしたいだけだってばっ!!」
「先輩~~…。今更、言い訳したってもう遅いですよ~~。」
「うぅ~………。」
両手で頬を隠していると頭の上に重みを感じた。
「朝から何騒いでんの~?」
「白川部長~~おはようございま~~す!!」
「おはよ!浅海ちゃ~ん。」
向い合わせの浅海ちゃんが先に気づいた。
「白川部長おはようございます!」
頭に乗ってる手をするりとはずすと白川部長は残念そうに笑った。
「あれ?何か花枝ちゃん…いつもと何か雰囲気違くない?何てゆうか艶々してるってゆうか。何か血色がいいってゆうか………。化粧品変えた?」