それでもあなたと結婚したいです。
M&Jの社長を招いての臨時の会議が行われている間、私は休憩用の特別室を準備していた。
「大体は終わったかな………。浅海ちゃ~ん!ナプキンだけ補充しといてね!」
「了解で~~す!」
慌ただしく浅海ちゃんが出ていった後、独り一息ついていると少し開いた扉にノックが鳴った。
「今、時間空いてる?」
「美緒さん!」
「会議中は私も暇なのよ。時間潰すのに付き合ってくれない?」
相変わらずモデル級の長い脚をタイトなスカートの裾からすらりと出して彼女が立っていた。
この人に誘われて断る人がいるのだろうか?
秘書をしているのが勿体無いくらいのスタイルだ。
「コーヒーでいいですか?」
「ええ。………………そう言えば身体、治ったの?」
「えっ?あっ、はい!もう、すっかり。あの時はお世話になりました。」
「どういたしまして。…………あの後、旦那様とは大丈夫?」
「はい………なんとか。」
「あれ?何か幸せそう………。いいことあったんだ?」
図星を突かれて、次第に熱くなる頬を両手で覆うように隠す。
「私、顔に出るんでしょうか?朝からずっと、からかわれてるんです。」
「ん?………………もしかして………?」
「………………実は…はい。………そうゆう事です。」
「うそっ!!信じられない!!あなた本当に特別だったのね!凄いわ!!」