それでもあなたと結婚したいです。
「一体…何の怨みがあるんですかぁ…はぁ…はぁ…はぁ…。」
ジェットコースターから降り、フラフラの状態で近くのベンチに座る。
「散々、人を巻き込んでおいて、どの口が言ってんだ?」
片手で私のほっぺを両側から挟んで、お仕置きとまで言うように摘まんだ。
「ひょっと!!ひゃめちぇくらさい!!」
「はぁ?何だって?…………あはははっ!なんだこの顔ウケる!!ククッ!」
恥ずかしさと腹立たしさで無理矢理振りほどいた。
「おいっ!いきなり引くなよ!顔に傷がつくぞ!」
「別に平気です!嫁入り前じゃありませんから!!」
「ふんっ………そうだったら俺が責任取ってやったのに………。」
「えっ?」
「ちょっと待ってろ………。」
暫く待っていると、両手に飲み物を持って帰ってきた。
「ほら。炭酸飲むと少しスッキリするぞ。」
「あ…りがとうございます。」
手の中でパチパチと弾けるメロンソーダは久しぶりで懐かしかった。
「この安っちー味………久し振りだわ。」
「美味しい。」
「元気になったんだな………よかった。」
思いも寄らない言葉に桐島を見ると、直ぐ目を逸らされた。
「どうしたんですか?今日は何かいつもと違う。」
「別に………お前が俺を選ばないから腹いせにからかってるだけだ。」
「桐島社長………。」
強がってる癖に、どこか寂しそうな顔をするから、つい気になってしまう。