それでもあなたと結婚したいです。
「私だって一緒にいたいけど、しょうがないでしょ?仕事だもん。」
後ろ髪引かれつつもバックを持つ。
「じゃあ、行ってきますね!」
玄関に向かう途中でふとカレンダーに気がついた。
パタパタとスリッパを鳴らしてリビングに戻ろうと扉を開けると直ぐ目の前に千春さんが立っていた。
「わぁ!ビックリした!」
「玄関まで見送ろうと思って。」
「フフッ…ありがとうございます!千春さん、聞きたいことがあったんですけど、X'masどうしますか?二人で、外で過ごしますか?それとも家でー」
話の途中で遮られて、目の前の人は両手を顔の前で合わせた。
「ごめん!毎年X'masは仕事関係のパーティーに招待されていて三件はしごしなくちゃならないから、夜遅くなるんだ。」
「えっ………。」
(一緒に祝えない?毎年ってこれからずっとってこと?)
「花枝?」
(…………仕事だもん仕方ないよね……。仕事上付き合いは大事だもの。でも、分かってるけど…………)
「千春さんのバカっ!!大っ嫌いっ!!」
千春さんの返答も待たずに私は思いっきり叫んで玄関を飛び出した。
通勤の電車の中でも頭にきて悔しくて泣きそうになった。
(そんな大事な事、今頃了解を得ようとするなんて信じられない!この先ずっとかも知れないのに………。)
「私達の初めてのX'mas…なのに。千春さんのバカ…。」