それでもあなたと結婚したいです。
デスクトップの電源を切り、ひと息つくと既に4時半を回っていた。
「佐伯…頼んでおいた品物は届いた?」
「はい…これで最後です。こちらは帰りに持っていかれますか?」
「ああ、車に積んでおいてくれ。」
「分かりました。」
「…………そろそろ、パーティーの時間か………。毎年、何とも思ってなかったけど、今年は行きたくない………。」
「今年は…って言うか、今年からは…なんじゃないんですか?」
佐伯は、意味深なしたり顔で俺を見てくる。
「あぁ~~そうだよ!!分かったからそんな顔で見るな!」
「そんなに離れたくないなら同伴すればいいじゃないですか?」
「ダメだ!!最初に同伴で連れていった後、どうなったと思う?社内外の多方から花枝の事を聞かれて大変だった上に秘書として連れて行った時は、M&Jの社長に目をつけられた。俺の妻と知っていてそれだぞ?今度連れて行ったら誰に目をつけられるか分かったもんじゃない。花枝も花枝で、肝心な所で無防備とゆうか………警戒心が無い。まったく………気が気でない。とにかく、俺が会話に集中できないんだ。」
「要するに、自分の目の届かないところで他の男に取られそうで不安だから、それならいっそ、家に大事に置いておこうと………そうゆうわけですね?」
「………………………なんだ?その目は?悪いか?」
「いいえ?何も?」
「分かってるよ。大人げない事くらい。」
「それでしたら、同伴なさればいいじゃないですか。」
「もう、その話は終わりだ!車回してくれ。」
佐伯の小言が聞こえてこないように俺は速歩きでエレベーターに向かった。