それでもあなたと結婚したいです。
自分の事を言われるのは慣れていたが、花枝の事を言われるのはどうしても許せない。
言い返したい言葉が喉元まで込み上げてきたが、堪えるしかなかった。
「どうして有ること無いこと噂するんだ?それも、あたかも真実の様に話す。」
「それも、一種のストレス発散方法なのでしょう。あのようなマダムは日頃、暇で退屈しているので、外からの情報を話して、笑って、日頃の鬱憤を晴らすのでしょう。」
「お前はどうして、そんなにマダムの日常に詳しいんだ?あぁ!お得意のリサーチか?」
「いけませんか?」
佐伯秘書は明らかにムッとした表情をした。
「悪かったよ………別に怒る事ないだろ………冗談だ。」
「緒方社長がいらっしゃいました。そろそろお仕事してください。」
「はい…はい。」
マダム達のジロジロとした視線を浴びながら、俺は緒方社長の所へ向かった。
長い退屈な話を上手く交わして、戻って来る頃には少しお酒が効いて、クラクラしていた。
それでも、歩けないほどではないので取り合えず次のパーティー会場へと向かう。
「佐伯~~。次で最後だな?」
助手席に座る秘書に後部座席から投げ掛ける。
「はい。そうですけど、次のパーティーは少しいつもと違いますよ。」
「どうゆうことだ?」
「まぁ、なんとゆうか仮面パーティーのようなシステムと言えば分かりやすいでしょうか。」