それでもあなたと結婚したいです。
千春さんに抱えられたまま、私は星を天辺に乗せた。
透かしの金細工の星は、中からの灯りに照らされてより輝いている。
「綺麗………。」
「花枝………また泣いてる。」
「えっ?泣いてないよ!」
目元に手をやると知らない内に涙が頬を伝っていた。
「あれ?おかしいなぁ………。感動のビックリ涙かな。えへへっ。」
おどけて見せると千春さんは私を抱きかかえなから愛おしそうに私を見つめた。
この愛しい人になんて言葉を送ったら私のこの気持ちが伝わるだろうか?
もしかしたら言葉でなんて伝える事は出来ないのかもしれない。
私は自分の胸を締め付ける痛みと同じくらい千春さんを強く抱き締めた。
「花枝…どうしたの?苦しいって!!」
「フフフッ嬉しいから感謝のお返し。」
「随分情熱的だね。」
「そうよ。私の心だもの。」
「じゃあ、お返しのお返し。」
「きゃあっ!」
私は近くのソファーに落とされた。
「いったぁーい!!」
「どこ痛くした?俺が舐めて治してやる!」
「きゃーっ!嫌だー!やめて~!あはははっ!………そこはぶつけてないってば!!くすぐったい~!」
「そうだっけ?じゃあ、ここかな?それともここかな?」
千春さんはふざけて色んな所を舐める真似をする。
「違うよ!本当にぶつけたのはここだよ?」
自分の唇を指差して、私も精一杯、彼に愛情表現をする。
「はぁ…やっぱり………そうだと思った。」
千春さんは嬉しそうに微笑むと優しく私にキスをした。