それでもあなたと結婚したいです。
36 モラトリアムの終り
「はぁ~!やっぱり美味しいなぁ…ここのキャラメルマキアート………フフッ!」
久し振りの呼び出しに、いつものカフェで待ち合わせたのはいいのだけどどうやら頭に花が咲いてるようでさっきからずっと思い出しては笑っている。
今まで辛い思いをしてきたのは分かっていたから良かったと思うのだけれど、どうもキラキラし過ぎて気持ち悪い。
「…あのさ、キャラメルマキアート見てニヤニヤするの止めてくれない?気持ち悪いんですけど………。」
「えっ?私、そんな顔してた?ちょっとだけ千春さんの事考えていただけなのに…やだぁー!!」
「ラブラブなのは分かったから、そろそろ教えてよ。彼とのエッチはどうだったの?」
「え~!!そんなの言えなーい!!恥ずかしいよ~!」
「はぁ?何その歳でぶりっ子かましてんのよ?今まで歴代の彼氏はキスの仕方から、SEXの体位まで聞いてもいないのにベラベラ話してたじゃない!!どの口が言ってんだぁ~??」
私は柔らかくて伸びる花枝の頬っぺたを両側から引っ張った。
「いひゃい!いひゃい!ごめんなひゃい!!今、言ひまひゅ!すぐ言ひまひゅ!!」
「それでよろしい。」
満足げに手を離すと花枝は痛そうに頬を両手で覆った。
「本当…乱暴なんだからぁ………。」
「言っときますけどね?誰彼構わず殴るあんたよりは女らしいわよ!」
「何それ~!私は悪い人限定なのに~!」