それでもあなたと結婚したいです。
暫く見ていなかった夢。
どんな夢かは覚えてないのに、その夢を見て起きると、必ずびっしょりと汗をかいて気分が悪かった。
思い出そうと考えてみても暗い怖いイメージしか浮かんでこなくて全く思い出せない。
暗い部屋は更に俺を不安にさせた。
時計を見ると夜中の2時過ぎ、眠れない身体を引きずってシャワーを浴びに行くことにした。
「きっと俺のトラウマが関係しているんだろうな………。」
前々から感じていた疑問だったけど、現状は見ないふりをしていた。
シャワーを浴び終えてベットに戻ると花枝が丁度寝返りを打って俺の方を向いた。
布団に包まり、とても幸せそうに眠っている。
「…可愛いな。」
俺は湯冷めした身体を温めて貰おうと、そっと彼女の首の下に腕を差し込んだ。
「ううん………。」
彼女は唸りながらもコロンと俺の腕の中に転がってきた。
温かくて、良い匂いで、柔らかい。
幸せの塊みたいな彼女を抱き締めると、その体温が伝わって自分も同じになったような気がした。
「花枝………君が好きだから…ずっと傍にいたい。」
祈るように願って彼女を見つめていると眠っている彼女が小さな声を立てて笑った。
(フフッ………寝言…言ってる?)
気づくとカーテンの隙間から差し込む月の光りが部屋を明るく照らしていた。
隣で眠っている花枝の寝息が心強くて、俺はもう一度瞳を閉じた。