それでもあなたと結婚したいです。
「ねむり姫……ねむり姫……。 」
(誰?ねむり姫って呼んでるのは……?私を呼んでいるの?)
「そうだよ……ねむり姫。俺を忘れたの?」
(あなたなんて知らない。)
「君はずっと眠ったままだ。これからもずっとそうさ。」
(何言ってるの?私はずっとなんて寝ていられないわ。現に今だって起きようと思えば簡単に……あれ?…何で体が動かないの?目も開けない!!)
「それは君が目覚めたくないって思ってるからさ。ずっと、ずっとこのままがいいんだろ?見たくないものには目を背けて、幸せな今だけが大事なんだろ?」
(それの何がいけないの?幸せならいいじゃない!)
「あはははっ!!君って案外自己中なんだね?自分さえ良ければ幸せなんだ。大好きな人が苦しんでても見て見ぬふりをするんだ?」
(そんなことしてない!私は千春さんが苦しんでたら絶対助けるわ!!)
「ふ~ん……。じゃあ、どうして助けないの?」
(えっ?)
「あんなに千春が苦しんでるのに…。」
(千春さんが苦しんでる?)
「そうか……君には見えないんだ。それならそうやって逃げるのも仕方無いね。」
(逃げてなんかない!!私達は幸せで………千春さんだっていつも笑ってる。苦しんでなんか……。)
「本当にそう?………よく思い出して……。そうすればきっと………」
(きっと何?………よく聞こえない!)
「待ってってば!!」