それでもあなたと結婚したいです。
暫くの間、私は大人気なく年下の女の子の胸を借りて泣いていた。
「大丈夫だよ…花枝ちゃん。自分の為に泣いていいんだよ。いっぱい泣くとすっきりするから、気の済むまで泣いていいよ!」
背中を撫でながら、テッシュBOXを側においてくれた。
私は遠慮なくテッシュを山にして泣きまくった。
「ふぅ~……やっと落ち着いた。はぁ~…本当にすっきりしたかも…ありがとね。」
「うん。………でも、いいなぁ。」
「えっ?………何が?」
「だって旦那さん、すっごい思われてんじゃん!奥さんにこんなに好かれて、心配して貰えて…それだけで幸せだよ!」
「そう…かな?」
「何よりずっと、傍に居てくれる………。」
きっと彼の事を思い出しているんだろうミレイの瞳は涙で潤んでいる。
(ずっと、待ってるんだね………あのドレスの彼の事………。)
「な~に言ってんの?ミレイの傍にだってずっといるよ~?だって、お姉ちゃんなんだから!」
「えっ?お姉ちゃん?あはははっ!こんな妹、苦労するよ?本当にそれでもいいの?」
「あったり前じゃん!私、尽くすタイプだから。」
「あはははっ!んじゃ早速、尽くして貰おうかなぁ~…。お姉ちゃ~ん!ポテト食べたい…あ~ん!」
「はい、あ~ん!」
「おいち~!!」
「妹って言うか赤ちゃんになってない?」
「エヘヘヘッ!」
私達はお互いふざけあって、バカみたいにじゃれあった。
ミレイを見ていると、彼女が乗り越えた様に千春さんもきっと乗り越えられるとそう思えた。