それでもあなたと結婚したいです。
39 トラウマ

ミレイのお店を手伝い始めてから、私は毎日忙しく充実していた。

私を心配させないように、治療の内容は話してくれないけれど千春さんの治療も順調らしい。

あの人との約束の日は迫っていた。



私はと言えば、今日も彼女のお店に向かって急いでいる。

ミレイといると不安な色んな事を考えずにすんだし、何よりアパレル系の仕事は初めてで楽しかった。

今日の差し入れは何にしようか考えていると着信音が鳴った。


「もしもし、千春さん?あれ?どうしたの?」


『今日はクリスタルホテルで会食があるんだ。』


「あっじゃあ、今日は黒木先生の所に行かないんだ?」


『あぁ………それで、急だけど部屋…取ったんだ。明日休みだし、今夜はホテルで過ごさないかと思って…。』


「えっ!本当!!」


予想外の誘いが舞い込んで、私の胸は高鳴った。


『………でも、お店急に休むことは出来ないか。』


「聞いてみるから、また連絡するね!」


『分かった………待ってる。』


千春さんの電話を切って直ぐミレイに電話する。

今日はお休みにするから平気だと、ミレイは二つ返事で了解してくれた。

私は千春さんに連絡した後、その足でデパートに向かうことにした。


(久し振りのホテルだし、千春さんとのお泊まりだし、目一杯お洒落しよう!)



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