それでもあなたと結婚したいです。
買ったばかりのベビードールの上にワンピースを着る。
外からは見えないんだけど、なんか女っぷりが上がったような気分になった。
「メイクもバッチリだし、完璧!」
鏡の中の私は、久し振りに生き生きしている。
「今日くらいは全てを忘れて楽しもう!夜通し千春さんと話しするのもいいな!」
私は意気揚々とクリスタルホテルに向かった。
夕方の街はまだ明るく、週末とあって賑わっている。
ホテルに入ると千春さんの名前で部屋のキーを貰い、取り合えず荷物を置きに行った。
「まだまだ、千春さんが来るには時間があるし、どうしよっかなぁ………。」
ふと、手元を見るとネイルをしてない事に気づいた。
「久し振りにネイルでもするか!」
ホテルのフロントに電話して、私はネイルサロンに向かった。
「お待たせしました。お客様。こちらにどうぞ…。」
丁寧に案内されて、個室に入ると隣の個室から声が聞こえてきた。
「今日はどういった感じになさいますか?」
「そうね~………。今の若い人はどうゆうのが人気なの?今日はいつもより若々しくしたいのよ。」
「お客様は十分若いですよ~。」
「分かってるわ!でも、ビックリさせたい人が居るのよ。私も偶然だから急いでちょうだい。彼の用事が終るのに間に合わせたいの。」
「そうだったんですね~!それじゃあこちらなんか如何ですか?」