それでもあなたと結婚したいです。

「たまに、こうゆうSEXも興奮するでしょ?」


そう言って、俺の膝に女が股がる。

ゾクッと鳥肌が立ち、どっと冷や汗が流れ始める。

早くこの場を何とかしないとと、痛いくらいに俺を叩く心臓が危険を知らせているのに、目の前に在るだろう恐怖に身がすくむ。


助けて………怖い……


助けて…………………助けて………!


お父さん……………お母さん………………!!!


花…ー




バンッ!!!



「私の千春さんに触るなっ!!!!」


俺の身体に被さるように花枝が俺達の間に割って入った。


「………花枝…」


「千春さん!!大丈夫??」


俺は結ばれた震える両手を声の方向に伸ばした。

俺の手は、温かい花枝の手に包まれて、直ぐ様目隠しは外された。

目を開けると心配そうな花枝の顔が俺を見ていた。

俺は一気に緊張が解けた。


「花枝………ありがとう………。」


「遅くなってごめん………一人にして…ごめんね。」


ポロポロ涙を溢しながら、彼女は俺の腕のスカーフを外した。

自由になった腕で花枝を抱き締める。


「こんな…情けなくてごめん。」


「千春さんが情けないんじゃないよ。私は全部分かってる…分かってるから………。」


言い訳せずとも、全て受け入れてくれる彼女に俺は救われた気がした。



「ちょっと………二人で勝手に盛り上がってるみたいだけど、誰?その女?」




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