それでもあなたと結婚したいです。
「………とゆうことなんです。」
あのホテルの一件が落ち着いて、休み明け、私は黒木先生の所に来ていた。
次の日でもよかったのだけれど、休みの間中、朝も昼も分からないくらい千春さんが私を離してくれなかったから仕方無いのだ。
まぁ、この話は後ですることにして、黒木先生には全てあった事を話した。
「そうでしたか…………。花枝さん、よく頑張りましたね。」
先生は満面の笑みで私を誉めてくれた。
「………ありがとうございます。」
私も感謝の気持ちを込めて笑顔を返した。
「泉さんからは聞いていましたが、花枝さんから聞くと又、違った視点から話が分かりました。もう、あなた達は大丈夫ですね!私の仕事も終わりです。やっと、肩の荷が降りました。」
「先生………。」
「たまにはお茶でも飲みに顔を出してください。あなた達ならいつでも歓迎します。ね?白金くん。」
「はい。」
落ち着いた優しい笑顔で白金さんは笑顔をくれた。
「じゃあ、私、行きますね!これから千春さんとランチなんです!!」
「そうですか。それじゃあ、楽しんで。」
私は深く二人に頭を下げると事務所を後にした。
ビルを出て、少し涼しくなってきた風を感じ、深呼吸する。
ビルの上を見上げると黒木先生が手を振っていた。
私は周りを確かめると大きく息を吸い込んだ。
「先生ーーーー!!ありがとーーーーー!!!」
そのまま私は踵を返し、大通りへ走った。
きっと先生は驚いて笑ってただろうな。
そんな想像をすると楽しかった。