それでもあなたと結婚したいです。
都内の高級マーケットの中をメモをチェックしながら品物をかごに入れて行く。
今日は千春さんが早く帰ってくると連絡が入ったから少しお高めのマーケットに来ていた。
彼の好きな食材と少し苦手だけど体にいい食材を織り交ぜて選ぶ。
前は好きなものを沢山作ってたけど、最近は健康面も結構気にしている。
千春さんにはいつまでも健康で格好良くいて欲しい。
「あっ、エリンギ買うの忘れてた。」
通り過ぎた野菜コーナーまで戻ろうとカートを回転させた時だった。
するりとカートが奪われた。
「ちょっと!!」
「よぅ。久しぶり、元気だったか?」
「えっ!桐島さん?どうして………ここに?」
「お前が入って行くのが車から見えたから、暇潰しに。約束の時間まで時間があるんだ。」
「私は暇潰しのオモチャですか?…………まったく。」
相変わらず強引で自己中な所を全開にして、自信満々の笑顔を向けてくる。
普通ならうんざりする所だが、私はこの人の裏に隠された優しさも知っているからついつい流されてしまう。
「今日のメニューは何なんだ?」
「そんなに見ないでくださいよ。何か恥ずかしいじゃないですか!」
「ちゃんと主婦やってんのかチェックしてんだろ。」
「お姑めさんみたいな事言わないでくださいよ~!」
「あははっ!困った顔も面白いなっ!!」
人が困っているのに楽しそうに笑っている。
「そう言えば白川部長は昇進しないんだってな?」
「えっ?どうしてそれを………?」