それでもあなたと結婚したいです。

微笑ましい二人を見ていると、子育ては大変だけどほっこりと何とも言えない充実感で満たされる。

これがきっと、幸せってやつかなぁなんて最近思う。

エントランスに入ると常駐のコンシェルジュにお出迎えされ、何の迷いも無く案内された。


ピンポーン


エレベーターで45階まで一気に登ると扉が開いた所がすぐに玄関だった。


「ヤバイ、マジすげーわ。」


呆れるくらいの高級感だった。


ピッピッガチャリ


ドアが開いて出てきた人も、さぞかしセレブリティーで光輝いているのかと思ったら、目の下隈だらけのボサボサの女が顔を出した。


「花枝………?どうしたの?てゆーか、まず、お邪魔してもいい?」


コクっと力無く頷くと、花枝はふらふらとリビングへ歩いて行った。


「寝てないの?なんかヤバイ顔してるよ?」


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