それでもあなたと結婚したいです。
ガチャリと音立てて入って来たのは、何度か顔を合わせた事のある千春さんの秘書だった。
「奥様、お帰りになられていたのですか?大変失礼致しました。秘書の佐伯でございます。」
佐伯は義務的に詫びると綺麗にお辞儀した。
千春さんと違って妙に神経質そうな顔をしている。
同じ秘書として感じるのはこいつ出来るな!だ。
こうゆう奴は仕事は出来るが人には嫌われるタイプだ。
「千春さんは?どうかしたんですか?」
「いえ、泉CEOは只今、会食中でございます。今夜も遅くなるかと。」
「そう、……ですか。」
「私はこれを届けに参った次第で。」
コトリと大きな箱が3つほど重ねて置かれた。
「これ、何ですか?」
「今度、奥様同伴のパーティーがございまして、是非一緒に出席して欲しいとの事です。こちらはその時の為のドレスでございます。」
「えっ!」