それでもあなたと結婚したいです。
「わぁぁ、綺麗……。」
箱を開けて見ると中にはビジューが散りばめられたフロントミニのロングドレスが入っていた。
薄い水色のフリルがとても綺麗。
もうひとつの箱にはシルバーのラメがキラキラしたクリスタルの蝶のモチーフ付きのハイヒールだった。
「まるで、シンデレラね……。」
突然のプレゼントにぽーっと見とれてしまう。
(千春さんが私の為に?ヤバイ……めっちゃ嬉しい……。泣きそう……。)
「お気に召しましたか?」
「はいっ!とっても!」
「私が選びました。」
「はっ?」
「と言ってもちゃんとしたプロに手配しましたのでご安心下さい。」
(は、ははっ。……こいつ、乙女心デストロイヤーめ!!黙っときゃいいだろうよー!)
「詳しい案内は後程、来月の第三土曜日になると思います。」
「分かりました。」
佐伯は乙女心を散々踏みにじって得意気に帰って行った。
「なんだあいつ~~!傷口に塩たっぷり塗り込んで、仕事が出来るのは分かったから、もう少しデリカシーの勉強してこぉーーーい!」
なんか怒って興奮したら具合悪いどころじゃ無くなったので、もらったドレスと靴をドレスルームのトルソーに飾ってみた。
「悔しいけどめっちゃ綺麗…佐伯のヤローめ。」
憧れのドレスは重かった気分を軽くした。
大概、私も現金な女だ。