それでもあなたと結婚したいです。
11 パーティー part 1
「奥様?準備は整いましたか?」
あっと言う間にパーティーの当日。
私は着なれないドレスに少し戸惑いながら袖を通した。
予約していた美容室で髪もメイクもバッチリ決めて、少しでも千春さんに目に止めて貰いたかった。
と言うか今夜こそは絶対本気で決めてやろうと心に誓っていた。
なんだか私が男みたいと思ったそこのあなた正解!!
今日はお酒の力も借りて一気に攻める算段だ。
お酒に頼る所が情けないが、こうなったら形振りかまっていられない!
風林火山、背水の陣!
一気に攻め落とす戦法です!
「お待たせしました。…千春さんは?」
いつもなら間髪いれず返答する佐伯が黙っている。
「どうかしました?」
「いえ、よくお似合いでございます。……奥様。」
あまり表情を崩さない佐伯が目をそらしている。
しかもほんのり耳が赤くなっていた。
「ありがと!」
予想外の佐伯の反応に今日の戦の弾みがつく。
(よっしゃー!この勢いで千春さんも落としちゃうわよ~~!ダーリン待っててね~~!!)
この時、私はまだ知る由もなかった。
パーティーの後、あんな事になるなんて………。