それでもあなたと結婚したいです。
わざと大きな声を出して千春さんに歩み寄った。
「花枝さん!待っていました!」
「千春さん、お待たせしてすいません。」
「今日の花枝さんは一段と素敵ですね!ドレスがよく似合ってます!」
「サプライズでプレゼントしてくれてありがとうございます!とっても嬉しかったです!」
(嘘は言ってないもんね~。)
周りの女達を牽制するつもりで二人だけの会話をする。
「千春さん、こちらのお美しい方々はどちらの?」
「あぁ~!紹介が遅れました。こちらのお嬢様方は皆取引先のご令嬢です!………皆さん、こちらが私の妻の花枝です。どうぞお見知り置きを。」
(どうだ!奥様の登場だぞ!さっさと千春さんから離れて!)
「ま…まぁ、素敵な方ねぇ!千春さんと結婚出来るなんて本当に幸せな方ねぇ。」
「ええ。色んな方の中から私を選んでくれて、ほんとーに幸せです!!」
(初夜バージンだけどね………。)