それでもあなたと結婚したいです。
「あっ!そうなんです!!私……今、急いでて、千春さんの所に戻らなきゃ……!!」
藤森に抱き留められた体を急に離して立とうとすると、ドレスの裾がヒールに引っ掛かった。
よろけた体は否応なしに床へ。
「うわぁっ!!」
「花枝っ!危ない!!」
一瞬スローモーションになった気がして、ゆっくりと藤森が手を伸ばし私を支えようとしているのが見えた。
(もうダメ…間に合わないっ!!)
衝撃に備え目をぎゅっと瞑った次の瞬間、覚悟していた痛みとは反対にフワッと背後から身体が抱き上げられた。
「きゃっ!」
とっさにきつくしがみつく、形振りなんか構ってられない。
顔面強打だけは免れなくちゃ!!
「大丈夫ですか?」