それでもあなたと結婚したいです。
12 パーティー part 2
「それじゃあ、また後で来るよ。」
「本当にいいんですか?私、途中で抜けたままで……。」
「私にとって今日は君の御披露目が目的です。少し顔出して貰えればそれで充分だったのに、すっかり疲れさせてしまいましたね。すいません。………さぁ、部屋に入って、ゆっくりお風呂にでも入ってください。」
「はい。それじゃあ後で……私、起きて待ってますから。」
その言葉には答えず軽く微笑むと千春さんは扉を閉めた。
自分のヘマで、すっかり当初の目的を忘れていた。
「そうだよ。これからが本番じゃない!謀らずもシチュエーションはバッチリだわ!!ここで初夜をやり直せばスッキリ解決ハッピーエンド。そうと決まれば早速シャワー浴びなきゃ!」
高級ホテルはアメニティもブランドものだから助かる。下着は上はヌーブラだし、下は予備を持ってきていた。
「今日は逃がしてあげないからね……千春さん!」
私は新品のショーツを握り締め思いを込めた。
「神様。どうか、千春さんと出来ます様に……。」
欲求不満も確かにあったけど、こんなにも長いことずっと頭の中がモヤモヤして落ち込んだり悩んだりした事が無かったから、この時の私はとにかく早くこの迷路から抜け出すことしか考えていなかった。